Baccarat Rouge 540

Maison Francis Kurkdjian

赤い結晶が奏でる甘美なウッディアンバー

メゾン フランシス クルジャン「バカラ ルージュ 540」 は、フローラル、アンバー、ウッディ系の香調を調合した荘厳で高貴な香りの香水です 。フランスの老舗クリスタルメーカー「メゾン バカラ」創立250周年を記念して、調香師フランシス・クルジャンが創作しました 。香水名の「ルージュ 540」は、バカラ伝統のレッドクリスタルの製法にちなみ、24金の金粉を混ぜた透明なクリスタルを540℃の高温で溶解して生み出される深紅色を意味しています 。クルジャンは赤いクリスタルが生まれる錬金術さながらの製造過程にインスピレーションを受け、そのプロセスを香りで表現したとされています 。実際クルジャン自身は本作を「エアリーなジャスミンとサフランの輝きが、アンバーグリスのミネラル感とシダーウッドのウッディなトーンを運ぶ、詩的な錬金術のような香り」だと語っています 。透明感と重厚さを併せ持つ芳香は肌の上で温かく広がり、まるでクリスタルに宿る赤い輝きを体感するかのような特別な一品です。

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ノート解説

バカラ ルージュ 540は、発売直後から世界中で話題となり、21世紀を代表するラグジュアリー香水の一つと評されています。香りの印象は一言で言えば甘美で官能的。しかし単なるグルマン系の甘さだけではなく、奥行きのあるウッディアンバーが調和したユニークな香りです 。トップに広がるジャスミンとサフランの華やかな甘さは、蜂蜜や砂糖菓子を思わせる柔らかな甘みに通じ 、まるで空気に溶ける綿菓子やカラメル化した砂糖のようだと表現されることもあります 。その甘さの下に、アンバーグリス(龍涎香)のもたらすミネラルで重厚なニュアンスが潜み、香り全体に気品とセクシーさを与えています 。まさに伝統的なクリスタル工芸とモダンな調香術が融合した、唯一無二のフレグランスです。

トップノート

最初に立ち上るのは優美なジャスミンと華やかなサフランによる甘いフローラル。 ジャスミンの白い花の香りに、蜂蜜のような柔らかな甘さをもつサフランが合わさり、まるで砂糖菓子のようにきらびやかな印象を作り出します 。この立ち上がりはグルマン系に近い甘さで、「綿菓子そのもの」「砂糖を煮詰めて焦がしたよう」といった声もあるほど官能的です 。

ミドルノート

時間が経つと顔を出すのはアンバーグリスの香り。アンバーグリスはマッコウクジラ由来の希少な香料で、重厚かつパウダリーでまろやかな甘さが特徴です 。このミネラル感のある甘い香りがトップの砂糖菓子的な甘さに深みを加え、少し大人びたセクシーな雰囲気へとシフトしていきます 。ジャスミンは次第に後退し、代わりにアンバー(琥珀)ウッディな響きが強まり、陶酔感のある甘さと相まって魅惑的な中香となります。

ベースノート

最後に残るのはシダーウッドとバルサムファーのウッディノート。 森林浴を思わせる落ち着いた木の香りが、香り立ちの華やかな甘さをゆるやかに包み込みます 。トップからミドルにかけて強調されていた砂糖菓子のような甘みは完全には消えずにほのかに残り、温かみのあるウッディな甘さへと溶け込んでゆきます 。全体として後半は穏やかで落ち着いた印象となり、特に秋冬の肌寒い季節にマッチする温もりある残り香です 。

肌に乗せた時の変化

肌に纏った直後は、ジャスミンとサフランの煌めくような甘さが際立ち、周囲にふわりと明るいシュガリーなオーラを広げます。やがて数十分もすると、アンバーグリス由来のアンバーウッドや樹脂的なノートが前に出始め、香りは甘く官能的なハートノートへ移行します。トップに感じられたジャスミンのフローラルさは次第に落ち着き、代わりに琥珀のような温かみとわずかにパウダリーなニュアンスが増してきます。数時間経つころには、シダーウッドやモミのウッディなベースが主体となり、香りのトーンは穏やかで落ち着いた甘さへと変化します 。とはいえ最初の砂糖のような甘さが完全に消えるわけではなく、終始香り全体に甘いアンバーの余韻が残り続けます。そのため、つけ始めからラストまで大きな揺らぎはなく一貫して甘さと木質感が調和した香りを楽しめるでしょう。時間の経過とともに派手さは和らぎますが、最後まで上品な甘さが肌に寄り添い続けるのがバカラ ルージュの魅力です。

バカラ ルージュは持続時間の非常に長い香水として知られています。少量のスプレーでも肌に24時間近く香りが持続します。拡散力も同様にかなり強いです。そのため、つけ過ぎには注意が必要です。少量でも十分に効果を発揮するため、シーンに応じて控えめな量で纏うことで、上品に香らせることができます。

調香師と代表作

この香りを生み出したのは、現代を代表する調香師の一人であるフランシス・クルジャンです。

香りの使い方と適したシーン

バカラ ルージュは主にプライベートを充実させたい場面での使用がおすすめです 。ゆったり楽しむパーティーや親密なデートはもちろん、ひとりで過ごす休日に紅茶を淹れて寛ぐ時などにも、この香りがあれば空間がたちまちラグジュアリーな雰囲気に包まれるでしょう 。秋冬の澄んだ空気の中では特に映える香りなので、コートの内側にひと吹きしておけば、外出先でもふとした瞬間に甘美な香り立ちがあなたを魅了してくれるはずです。

逆にビジネス関係では香りの強さと拡散力から向かないと思います。

似た香水情報

Her(Burberry)
英国ブランドBurberryによるフルーティー&フローラルの香り。ジューシーな苺やベリー、アンバーが香り立ち、苺ミルクのような甘酸っぱさが特徴です。ジャスミンを含むホワイトフローラルやアンバーの構成は「Baccarat Rouge 540」に通じる要素があり、同じくFrancis Kurkdjianが調香を担当。


Cloud(Ariana Grande)
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Baccarat Rouge 540 Extrait de Parfum(Maison Francis Kurkdjian)
「Baccarat Rouge 540」の濃度を高めたパルファム版。サフラン、エジプト産ジャスミン、シダーなどの希少エッセンスを贅沢に配合し、より濃厚で甘美な香りを実現しています。持続力と深みが強化され、肌に密着するような官能的な香調に。オードパルファムよりも一層ラグジュアリーで、香りを極限まで楽しみたい方に向けた究極の一作です。


Grand Soir(Maison Francis Kurkdjian)
アンバー、バニラ、トンカビーンズを贅沢に重ねた、温かく深みのあるオリエンタルアンバーの傑作。夕暮れ時のような落ち着きと官能性を併せ持ち、甘く艶やかな残香が長時間続きます。「Baccarat Rouge 540」同様にFrancis Kurkdjianが手掛けており、上質な甘さと重厚感を求める方におすすめです。


Tobacco Vanille(Tom Ford)
スパイシーなタバコリーフとクリーミーなバニラが主役のグルマン系フレグランス。ドライフルーツやカカオの甘く濃厚な層が加わり、まるで甘い葉巻と高級デザートが一体になったかのような香り。重厚で贅沢な甘さは、「Baccarat Rouge 540」と同じく記憶に残る存在感があります。


Trajan(Electimuss)
シトラスやスパイスの爽やかなトップから、アンバーやラベンダーの温もりある甘さへと移り変わる、透明感と奥行きを兼ね備えたオリエンタル・アンバー系の香り。アロマティックで明るい立ち上がりが特徴的ですが、時間とともに「Baccarat Rouge 540」に通じるアンバーとムスクの甘く官能的な余韻が現れます。気品と親しみやすさを両立した一本です。

一言

私の中でのこの香水の印象はクリスマスです。赤色で明るく、そして少ししんみりする。輝いているが秘密の多いこのシーズンにピッタリだと思う。香りもそう。甘さの中にもアンバーなどのセクシーな部分もあり、色気を感じられる。

フランシスクルジャンの香りでここまで濃い、拡散力が高いのはあまり無いのではないだろうか?エクストラ版は別だが、、、似た香水でグランソワールも紹介したが、あちらも重い。ただゴージャス感、特別感でいうとバカラルージュに軍配があがるか。

この匂いが好きだが、どうしても高い!という方はアリアナグランデの香水を試してみるのも良いかもしれない。かなり似ている(似せてる?)が値段は格安。そのあたりを気にしないならば。
個人的には香水は気分もまとえるものだと思うので、バカラルージュで気分を上げるのも良いと思う。

甘さを強調されているが、ここ香水はウッディ感も十分にあります。付けはじめは案外軽いと思いますが、重たくなってくるので要注意。値段はかなりするので、店頭ですぐに買うことはおすすめしないです。じっくり選んでいただければ良いかと。使っているうちに良さがより分かる香水。

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