都会的な野性と知性の調和
フレデリックマルのフレンチラバーは、ブランドの中でも特に存在感のあるウッディ・アロマティック系のフレグランスです。スモーキーでアーシー、そしてスパイシーな香りが複雑に絡み合い、まるで都市と自然の狭間に生きる洗練された人物を描き出します。その香りは、荒削りでありながら計算された静かさを感じさせ、嗅ぐ人の記憶に深く刻まれます。

パチョリやベチバーといったアーシーな素材を中心に、インセンス、スパイスが層をなして構成されており、土や森、煙といった自然のイメージが立ち上がります。その一方で、都会的な緊張感と知性も感じさせるバランスが光ります。
https://latelierdesparfums.jp/collections/editions-de-parfums-frederic-malle/products/french-lover-edp
ノート解説
トップノート
スパイシーなガルバナムとペッパーが鋭く香り立ち、深いグリーンと微かな樹脂感が第一印象を決定づけます。この瞬間、森林の中に足を踏み入れたような鮮烈さが広がります。


ミドルノート
アンジェリカ、シダーウッドが登場し、温かみと深みのあるウッディさが加わります。ここで香りは、スモーキーでミネラル感のある雰囲気へと変化し、まるで霧に包まれた森の奥へ導かれるような感覚を与えます。


ベースノート
パチョリ、ベチバー、ムスクが土のような温もりと力強さを演出し、香りは落ち着いた、しかし印象的な余韻を残します。長時間にわたって肌に寄り添い、野性と洗練のバランスを崩すことなく保ち続けます。


最初の印象はグリーンで湿度を含んだトップノートが立ち上がり、スパイスと土の香りが複雑に交差します。やや攻めた第一印象ではありますが、そこに知性が感じられるのがフレンチ ラバーらしさです。ミドルノートへの移行は15〜30分後ほど温かみのあるウッディとアンジェリカが香り始め、包容力とミステリアスな深みが生まれます。このレイヤーで香りは大人びた落ち着きと色気を増し、自己の内面と向き合うような静けさが漂います。ベースノートは2時間以降、アーシーさや苔、そしてわずかに甘いムスクのような余韻が広がり、香りは肌に溶け込むようにして一体化します。内に秘めた熱のような静かな強さが、終日持続します。持続時間は6〜10時間、拡散力はミディアム。香りは強く主張せず、洗練された存在感を静かに保ちます。
調香師はピエール・ブルドン(Pierre Bourdon)
1980年代以降、現代のメンズフレグランスを革新してきた名調香師。代表作にはクラシックな男性用フレグランスに革新的なナチュラリズムを取り入れた香りが多く、素材感を際立たせた香調で知られています。
代表作
- Cool Water (Davidoff)
メンズフレグランスの革命とも言われるアクアティックな名香 - Iris Poudre (Frédéric Malle)
アイリスとムスクの華やかで繊細な名作 - Silver Mountain Water (Creed)
透明感のあるグリーン×ミネラル系のモダンな名作

シーン別おすすめスタイル
ビジネス:
使用可能。やや骨太な香りではありますが、内向的で控えめな拡散力のため、パーソナルスペース内で静かに香ります。知的で余裕のある印象を与えたい場面に。
プライベート:
読書やカフェでのひととき、あるいは自然の中で過ごす時間など、ひとりを楽しむ場面に特にマッチします。

似た香水情報
・Sycomore (Chanel)
ベチバーを中心に構成されたドライで洗練されたウッディ香。
・Angéliques Sous la Pluie (Frédéric Malle)
アンジェリカの繊細なスパイス感とムスクが重なり合う、透明感のある香り。
・Hwyl (Aesop)
森林の静けさを感じさせるスモーキーウッディな香り。
・Avignon (Comme des Garçons)
フランキンセンスが主役の荘厳な香り。
・Vetiver 46 (Le Labo)
スモーキーかつアニマリックなベチバーの新解釈。
・Timbuktu (L’Artisan Parfumeur)
サバンナと宗教儀式をイメージしたスモーキーなウッディ・スパイス。
一言
記事を投稿できなくて、すみません。少しずつでも、更新していきますので気長にお待ち下さればと。
今回のフレンチラバー、私の好きな香水5選と言われればおそらく入る香水です。これまで、50MLを1本、100MLの2本目をほぼ使い終わりというほど。かなり好きな香水。
フレデリックマルの中でも、草や植物をイメージさせるものは他にもあり、シンセティックジャングル(シンセティックネイチャー)が代表かと。シンセティックジャングルはどちらかと言うと、近くにある雑草を引き抜いて鼻に近づけて、その存在を感じるイメージ。一方フレンチラバーはもっと俯瞰的に森を見て、空間やその全体のオーラや生命力を感じるイメージ。自分の中では、より心にグッとくる。
またそのようなイメージもあるため、深みもあり少し背伸びができる香水と感じています。
基本的に仕事の時はブルードゥシャネルかフレンチラバーです。フレンチラバー高いから持ったいねぇ!って思う事もあるので笑
なんだろうね。この香水安心感あるんよね。
父親がつけてたブルガリプールオムにどこか似てる感じがあるんだよな。特にラストノート。だから好きなのかも。

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