気品と謎に包まれた紳士の香り
ペンハリガンのザ・トラジェディー・オブ・ロード・ジョージは、英国紳士の品格と隠された秘密を体現した香りです。名家の当主であるロード・ジョージをモチーフにしたこのフレグランスは、伝統と格式を重んじる一方で、彼の影に潜む謎めいた一面を表現しています。
威厳と落ち着きを感じさせるウッディなベースに、琥珀色のラム酒のような芳醇な甘さとアンバーの温かみが調和した香りは、まるで優雅な英国の邸宅で語られる秘密の物語のよう。洗練された紳士のための香りとして、静かに自信を宿し、品格を漂わせます。
ラム酒の芳醇な甘さと、ウッディで温かみのあるアンバーのコンビネーションが、洗練された英国紳士の品格を漂わせます。そこに高級石鹸のようなクリーミーなニュアンスが加わり、温かみと優雅さを際立たせています。
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高貴な余韻を残すクラシックな香調
シングルノート
最初に感じるのは、芳醇で深みのあるラム酒と高級石鹸の香り。まるでヴィンテージを嗜むかのようなリッチな甘さが広がります。英国紳士の洗練された嗜好を象徴するかのような香り立ちです。徐々にトンカビーンズの香ばしく、ややスパイシーな甘さが現れます。温かみのあるクリーミーな甘さが際立ち、気品と優雅さを感じさせます。そして、アンバーとウッディの深みが加わり、洗練された大人の色気を感じさせる香りへと変化します。まるで重厚なオーク材の書斎に佇んでいるかのような、包み込むような落ち着きをもたらします。




ラム酒が豊かに香り、まるで上質な琥珀色の蒸留酒をグラスに注いだ瞬間のような温かみと奥行きを感じます。この第一印象は、エレガントでありながらも、どこかミステリアスな雰囲気を醸し出します。トンカビーンズの香ばしく甘い香りやシェービングソープの清潔さが前面に現れ、全体にまろやかさをもたらします。スパイシーなニュアンスが僅かに加わることで、香りに深みが増し、洗練された男性的な魅力が際立ちます。アンバーとウッディノートがゆっくりと広がり、最後は温かみのある落ち着いた雰囲気へと変化します。特にアンバーの重厚な甘さが心地よく持続します。持続時間はかなり長く12時間ほど、拡散力は最初は少し強めですが、徐々に肌に馴染んでいきます。存在感がありながらも、上品に香ります。
ロード・ジョージを手がけたのは、アルベルト・モリヤスです。
代表作
- Bloom (Gucci)
ジャスミンとチュベローズが際立つ華やかなフローラル。 - Good Girl Gone Bad (Kilian Paris)
オスマンサスとチュベローズが織りなす官能的なフルーティーフローラル。 - CK One (Calvin Klein)
シトラスとムスクが爽やかに香るユニセックスな名香。
紳士に相応しいフォーマルな香り
この香りは、その落ち着いたウッディさと甘さのバランスから、以下のようなシーンで特に魅力を発揮します。
- フォーマルな場面
スーツを着る場面にふさわしく、気品と貫禄を演出。 - ナイトシーン
大人の余裕を感じさせる香りで、エレガントな印象を残す。
秋冬のシーズンに特に映える温かみのある香りですが、洗練された香り立ちのため、年間を通して楽しめます。

特におすすめの方
ロード ジョージは、以下のような方に最適です。
- 品格がありながらもミステリアスな印象を求める方。
- クラシックで落ち着いた香りを好む方。
- スーツに似合う洗練されたフレグランスを探している方。
似た香水情報
この香水に似ていると感じるものはないと感じています。
ただフォーマルな香りでおすすめするならば、
- Grey Vetiver (Tom Ford)
スタイリッシュで洗練されたベチバーの香り。 - Terrible Teddy (Penhaligon’s)
インセンスとレザーが絡み合うエキゾチックでミステリアスな香り。 - French Lover (Frédéric Malle)
ベチバーとスパイスが織りなす洗練されたウッディグリーンの香り
あくまでフォーマルな香りで似ているわけではないです。
この香りはありそうな香りですが唯一無二かと思います。
一言
つけた瞬間のシェービングソープような清潔感、そしてラム酒の甘さ、ほのかな苦味。英国貴族を象徴するような美しい香りです。ダンディズムと言えば良いのでしょうか、クールなかっこよさです。私の中では唯一無二の香り。ただこの香りに、パーカにデニムという服装は似合わない、やはりシャツにジャケットのような服装がおすすめです。ラム酒など少し暖かさを感じるためつけるなら秋冬あたりが輝くかと思います。イギリスのペンハリガンだからこその香りと言っても過言ではないでしょう。本当に大好きな香りです。

ただここからは、少し苦言を。香り自体はすごく良いのです、香りは。
問題はなぜこの貴族社会というコンセプトを「ペンハリガンの最高級ライン」でやったのか?というところ。ペンハリガンのポートレートコレクションは香水好きな方はもちろんご存知、それもペンハリガンの最高級ラインということもご存知でしょう。
他ブランドの最高級ラインを見た時
- シャネル レゼクシクルジフドゥシャネル
- ゲラン ラールエラマティエール(クラシカルならシャリマー等のパルファンである)
- エルメス エルメッセンス
- セルジュルタンス セクションドール(廃盤ではあるが)
- ルラボ シティエクスクルーシブ
- ルイヴィトン レゼクストコレクション
このように見ると「素材に焦点を当てる」、「そのブランドの専属調香師か設立者の本気の作品」の両方があるように感じられる。シャネルのジャックポルジュにオリヴィエポルジュ、ゲランのティエリーワッサー、エルメスのジャンクロードエレナ、ルイヴィトンのジャックキャバリエと言った名だたる調香師の本気、ルタンスも自分自身のために作ったと言われるブランド色の塊、ルラボもその地名を背負った旗艦店を代表する香り。やはりこれが最高級ラインの存在であると思う。
なのにだ、歴史あるペンハリガンの最高級ラインのテーマが「貴族社会の人間模様」である。ボトルも個別に装飾し、ボトルにどれだけかかっているか分からない。そしてもう一つの問題が廃盤の多さである。人気のクララですら廃盤。私自身、最高級ラインのお気に入り香水は一生使用したいものも多々ある。所謂、そのブランドの顔であるから、無くならないであろうとの考えもある。無くすならルタンスのようにラインごとくらいの覚悟を持って欲しい。それを貴族社会の物語に例えられ無くなるのは、愛用している方からしたらとても悲しいではないか。
私が言いたいのは、別にこれをやっても良いが、「最高級ライン」は違うだろうということ。
香料でその一部香水が高くなるのは分かる、ただエクスクルーシブラインとして売っているならある程度覚悟を持って売って欲しいということ。
なんだろうね、香りは良いのにマーケティング先行で売ってるところもあるのかな。歴史あるブランドなのに。X(Twitter)ではあまり言及してる方はいないですが、1香水好きの一言と思っておいてください。長々とすみません。
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